…やっぱり、半年かかるんだって。
痛みがある程度落ち着くにつれて、考える余裕が湧いてくるのか、不安だけが落ちてくる。
足を下げる度にひきつれる痛みも、リハビリのたびに感じる骨の違和感も、辛いと言えば辛いけど…手術の時に比べれば、耐えれない痛みではない。
ただ朝早くに目が覚めて、なんとかトイレ行って、朝ご飯、そして昼ご飯、足の包帯の取り替え、リハビリ、夕ご飯。
これだけしかない毎日が不安で堪らない。
ゲームしようにもコンセント遠いし、手が届かないし、たぶん見られたら看護婦さんに何か言われそうだし…
リハビリ以外ではテレビ見るか、携帯見るだけ。
本とか読めば良いんだろうな。
でも、速読だから友達の本もその日のうちに読んでしまった…
ああ、入院ってこういうのが辛いんだな。
友達のお見舞い、もっと行ってあげればよかったな…
そして日が落ちて、付き添いの母が帰って消灯時間になると
大部屋のほうから、いつもの叫び声が聞こえてくる。
『きてやー!きてー!』
何故ナースコールを使わないのか分からないけど、ちょっとのことで看護婦さんを呼びつけるお婆さんの声。
看護婦さんも辟易しているのか、すぐには行かないようだ。
体は疲れていて、目蓋も重いのに、
一度堰を切った思いはなかなか止まらなかった。
…家に帰りたいな…
仕事、早くしたいな…
…うん、今日ちょっと泣いたら
明日、また頑張ろう。